物理法則も
風のそよぎかたさえ
全て異なる世界に
突然放り投げ出された
誰も信じられない
自分も見失う
感情のままに動いて
破綻するまで走り続ける
暗闇の中
ただ一つ伸びてきた
白い手に
恐れながら
疑いながら
それでもやっと触れてみた
そこから
じわじわと光が広がり
心配そうに覗き込む
父母の顔や兄弟の顔や見知らぬ顔、
きみたちの顔が見えてきた
この世界が変わったのではなく
ぼくが変わっていた
ようやくそう気づいた時、
ぼくにとって感情はもはや、
ヘアスタイルのようなもので、
ぼくを動かす本質では無くなった
ぼくを動かすのは
恐怖ではない
一時の感情ではない
ぼくを動かすのは
ぼくではない
愛するきみたちが、
ぼくを動かす
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