(生命)

2004年12月4日 音楽
宮下富実夫 CD エイベックス イオ 2001/10/17 ¥3,150

 妊娠中にこれをよくかけてたので、妻はこれを聴くと「ツワリ」を思い出すといって笑う。
 辛い経験も後になってみれば笑い話に代わる。

 僕は、このCDではないが別の宮下富美夫のCDをテープに入れて、ウォークマンで聴きながら東京から屋久島まで一人旅した事を思い出す。
 笑い話にはならないが、死に場所を求めていた。それでもこうして生きているのは、宮下富美夫のおかげだろう。

 その頃の自分と今の自分の繋がりは明確でないけど、統合失調という体験を境に、くっきりと分かれたような気がする。
 社会と自己、正常と異常の境界上にいた10代、20代の頃と、病気の療養に専念した30代の自分と、40過ぎて社会と積極的に関わろうとする今の自分が宮下富美夫の音楽を聴くと、一本の線に繋がっている事に気付く。
 統合失調によって、社会と意識的に積極的に関わるように努める事で、人間としてのバランスが向上したような気もする。

 昨年惜しくも天界へ戻った宮下富美夫であるが。
 音楽の深さと生きる事の意味の深さを教えてくれる「生命(INOCHI)」は、絶妙のアルバムと言える。

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